阪南大学叢書116

ブリティッシュ・ライブラリーの起源:成立背景と初期の図書館活動

全1巻

藤野寛之―著


本書は,BL〔ブリティッシュ・ライブラリー〕がいかなる理由で,いかにして成立したかを検討する内容が中心となっている。時間の経過が十分でないため,いくつかの解説書は刊行されているが,現在までのところ,筆者の知る限り,イギリスでもまだこのような全面的な解明はされていない。本書は一つの批判的分析を通して,本来の図書館と今後の図書館のあり方を解明し,最終的には人類の宝庫としての図書館の重要性を伝えることを目的としている。イギリス人の掲げた図書館実現の理念が伝われば幸いである。〔本書「はじめに」より〕


■目次

はじめに

第一部 ブリティッシュ・ライブラリーの源流
第1章 ブリティッシュ・ライブラリーの歴史的意義
1.1 世界最大規模の図書館の誕生
1.2 全国システムとしての「国立図書館」の実現
1.3 新しい図書館活動に対するイギリスの自負心
1.4 経済面の要請
1.5 社会的背景
1.6 イギリスにおける図書館政策の伝統
1.7 歴史的背景

第2章 ブリティッシュ・ライブラリーの組織:統合された6機関
2.1 大英博物館図書館
2.2 国立科学発明参考図書館
2.3 国立中央図書館
2.4 国立科学技術貸出図書館
2.5 研究開発の促進:Aslibと科学技術情報局
2.6 イギリス全国書誌機構

 

第二部 ブリティッシュ・ライブラリーの成立
第3章 国立図書館委員会(デイントン委員会)の勧告
3.1 国立図書館委員会の設置
3.2 「デイントン委員会」の勧告
3.3 『デイントン報告』の調査資料
3.4 『主要文書証言録』
3.5 図書館組織の合併にともなう問題点:『デイントン報告』の反響

第4章 ブリティッシュ・ライブラリーの発足
4.1 『ブリティッシュ・ライブラリー白書』
4.2 「ブリティッシュ・ライブラリー法」
4.3 ブリティッシュ・ライブラリーの成立

 

第三部 初期の図書館活動と戦略計画
第5章 真の国立図書館実現への道程
5.1 戦略計画
5.2 蔵書構成と図書館サービス
5.3 新館の実現
5.4 経済効果

 

おわりに

索引
参考文献
あとがき


著  者―藤野寛之

造  本―A5判/総192頁・上製
定  価―15,000円

刊  記―2020年 ISBN 978-4-909680-57-0