* 文圃文献類従 24 *  小林 昌樹編・解説

『雑誌新聞発行部数事典―昭和戦前期 附.発禁本部数総覧』

禁本の現物を、各府県警察がどの程度差押さえたかの割合を記載する「差押成績表」をもとに発行部数を抽出、タイトル・分類などから検索できるようにしたものが本書である。

 

行本は昭和3年から、新聞・雑誌は昭和5年から最後は昭和17年までの数値が掲載されており、その間に差押えされた単行本の特定巻、あるいは新聞・雑誌の特定号の部数が本書でわかる。その多くは発禁本だが、部分削除処分を受けた本も混ざっている。

当初でこそ「軟派本」や「左翼本」が多いが、時代が下るに従って左翼運動の壊滅や検閲の強化等のため一般書や新聞・雑誌が増えており、ひろく部数を調べるのに役立つ。

 

書掲載タイトルには新聞、通信、新聞雑誌、出版雑誌、宣伝印刷物といった資料種別を明示。「差押成績表」に処分理由の種別(安寧秩序、紊乱風俗壊乱、陸軍省令、海軍省令、国家総動員法)がある時は書誌データの一環として記載。発行日付のほかに禁止・処分日付も採録する。 

 

            内容見本
            内容見本

本書の構成……

 

序文 田村 俊作(慶應義塾大学文学部教授)

第一部 雑誌・新聞編(タイトル五十音順)

第二部 単行本編

    NDC二桁(一部三桁)順>刊行年順)

第三部 宣伝印刷物編(刊行年月順)

 単行本タイトル索引

 解説「戦前における発行部数調査の歴史」

 

【全1巻】448

造  本A5判・糸上製函(品切れ)

刊行時期201112

価  格24,000円 ISBN9784907789-84-8